ギターを自分で塗装する。しかし自宅に作業場はないし、ラッカー塗装は匂いと毒性が気になる。そんな中ミルクペイントを発見した。森永牛乳を原料としているというのには驚いたが、これなら自宅で匂いもなく快適に作業できる。ネットでギター塗装をミルクペイントでしている方の情報は少なかった。それなら私が挑戦して記事にしてしまおうというわけだ。
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ミルクペイント
カラーは結構豊富。今回色をどうしようかと迷ったが、ピンクにしようと決めた。ピンク系で唯一あったカラーはシトラスピンク。1つ70mlしかないので5つ購入。足りなければ追加購入すればよい。しかし実際塗ってみると1.5本で済んだ。
この色を見ていたら鮭缶が食べたくなってきた。
「自宅で塗りやすくって匂いがなくても、ギターに塗る以上耐久性が心配」という声が聞こえてきそうである。
これに関して販売元のターナー色彩のHPによると
- 森永乳業のミルク原料を使用した安心安全の水性ペイント
- アメリカントラッドの色調を忠実に再現
- 各メディウムも全て水性で安心安全
- クリーミーな質感で、伸びがよく塗りやすい
- マットな仕上がりで、乾燥後は耐水性に
⑤の乾燥後は耐水性という言葉が心に響いた。耐水性ということは簡単に剥がれるわけではないということではないか。
しかし耐水性があるだけでギターに塗って大丈夫なんだろうかと考えていたら、
トップコートがあるではないか。これならいけそうな感じがする。もしだめなら再び塗装を落として別の素材で塗り替えればいいだけだ。自分の中でGOサインを出した。
それでは準備をしていこう
私はすぐに塗り始めてしまったのですが、ここで重要なことがあります。
両面、側面塗るわけですから乾かせるようにギターを吊るせるようにすることです。
私は2X4(ツーバイフォー)の材木と上下両端にディアウォールというジョイントをつないで部屋に穴をあけずにギターを吊るせるようにしています。
そこにネックをつけていない状態で吊るせれば、塗装と乾燥が可能になります。そこで考えたのが、↓ハンガーを写真のように折り曲げ、ネック固定用のネジを2本だけ差し込みハンガーの折り曲げた部分をひっかけて吊るしてみました。
上の写真は塗装が終わってからわかりやすくするために撮っています。
または面倒ならネックつけたまま塗装してもいいと思います。
吊るす環境が設定できない方はまずは1日目は表、2日目は裏、3日目は側面、4日目は底面というように分けてもいいかもしれませんが日にちの違いによる境目がどうなるか不明です。
塗装・乾燥ができる準備をまずは考えましょう。木材を加工して塗装用枠組みを作ってしまう方もいるようです。あとネック部分を別の材木をジョイントして吊るすとかね。
塗り方
ミルクペイントは薄めずに木目に沿ってひたすら塗るだけです。
難しいことはありません。
ミルクペイント1回目の塗り→90分以上乾燥→2回目の塗り
翌日以降
トップコート1回目の塗り→90分以上乾燥→2回目の塗り→90分以上乾燥→ストラップのエンドピンをつける方の底面を丈夫にしたかったためそこだけ3回目の塗り
トップコート終了翌日以降、パーツ実装やほかの作業開始。
まずはマスキング。ピックアップや電装系のあったところは電導塗料が塗ってあるのでそこを養生する。
※電導塗料を再度塗りたい方は、そちらを先にやってしまった方が良いですよ。ボディー塗装→電動塗装の順だとミルクペイント塗った部分と電導塗料の境目がにじんでしまう可能性あるので注意しましょう 私はここは失敗しました。近づいてみるとちょっとにじんでしまいました。
塗装作業は塗装はがしの時に比べて楽だ。クリエイティブな気分になってくる。
絵の具は普段つかっている食器に入れて使った。この辺が無害なミルクペイントの良いところ。
↑表を塗った後に裏と側面をどうしてくれようと考えた挙句の策 最初からいろいろ考えていけばよかったんだけど。(行き当たりばったり)でもこの方法なら吊り下げられるところがあればできるよね。ギターハンガーじゃなくてもドアの上や風呂とかベランダの物干しとかね。(アイデア無限)公園の鉄棒やジャングルジム(今は見なくなった)なんてね。
まあこの記事を読んでヒントにしてください。
塗装終了、スイッチ、ペグ交換やネックの塗装(白髪染めで塗装・別記事にするかも)をして仕上げました。
完成。
塗装前と塗装後の比較をしてみよう~♪
きれいになった~なぁ。これなら弾く時やライブでのモチベーションアップ間違いなしだ。
新品のギターを手にしたような感覚。音を出してみたが特に依然と変わってはいないようだ。
大変だったが塗装に踏み切ってよかったと思いますよ。
今回の作業の様子を60秒で見れます。見ていない方はどうぞ。(音が流れます)
まとめ
メリット
ミルクペイントによるギター塗装は思った以上に丈夫で十分おすすめできる。
仕上がり質感は販売元HPにあったように、アメリカの古いアンティーク家具のようなマットな質感。(昔の公園にあった古いベンチの塗装のイメージ)
塗装した後に部分的にやすり掛けすれば古い質感、使用感を出すことも可能。
ほかの塗装に比べると匂い、毒性がなく自宅で作業できる。
塗りやすい。
デメリット
今のところ思い浮かびません。他の種類の塗料を使ったことがないので。
使用しているうちに何か気が付いたら追記しますね。
編集後記
塗装そのものはらくちん。塗装はがしが一番しんどかった。塗装をやってみて業者がこの作業に7-8万取るのも納得。大変だもん。
どうでしょうか参考になりましたでしょうか。DIYど素人が挑戦してもできないことはないことは証明されたと思います。以前より塗装したいとは思っていましたが、臭い塗料をどこで塗る?ということが解決できなかったので挑戦をあきらめていました。
かといって黄ばんできたギターを弾くのはあまりモチベーションは上がりませんでした。今回ミルクペイントに出会ったおかげで目標を達成することができました。
皆さんも挑戦してみましょう! GOOD LUCK!