2026/4月末に家庭裁判所に性別変更の申立てを行いました。いろんな書類が必要なのですが、その中で「自分が初めて性別に違和感を覚えてから今までの経験」を記した書類も一緒に提出しました。良い機会だと思いましたので、ブログの方でも今までの人生を振り返ってみます。今回はその第二弾です。
前回、第一弾を読んでいない方はこちらへ。
社会人
最初に勤めたのは、塾の講師で正社員。ネクタイをし、髪を短く切った。男らしくして生きようと努力した時期だった。男らしく生きたせいか?彼女もできた。その彼女は自分を普通の男性と思って付き合ってくれたと思うが、彼女の持っているポーチの中の化粧品がやたらと気になる。自分が化粧品が気になることを知った彼女だったが、「男性が気にすることではないでしょ」という感じであしらわれたりしていた。女子同士ならそこから話が広がる感じかもしてないけど。
ここで女性になりたいのに、女性と付き合えるの?と疑問に思った人がいるかもしれない。自分は人と付き合う時は「好きになった人が、たまたま男性だったとか女性だったとか、後付けなんです。理解してもらえるかわからないけどそうなんだから仕方がない。したがって男性女性どっちも付き合えるんです。だからと言って、誰でもいいわけではないですよ。
「女性になりたいのに女性が嫌い」って不自然ですよ。なぜなら嫌いなものになりたいわけないでしょ。憧れのものになりたいわけです。極端ですが、「生ゴミになりたい」なんて人はまずいない。小学生だったら「大谷選手になりたい」なんて言う子がいるかもしれない。この辺はゲイとかレズビアンと言われる人とは違うところだし、さらに個人差があるからややこしいところでもあるけどね。
29歳〜30歳で半年通った店
ある時、当時あったニューハーフ雑誌にメイク代込み、飲み代込みで五千円と言う広告を見た。店員が男性客に女装メイクをしてくれる女装スナックだった。つまり女装してお酒を飲むと言うコンセプト。何かワクワクし、衝動を抑えきれなかった。早速行ってメイクをしてもらった。
店主に「右半分はメイクやるから、左は真似してやってみな」と言われて必死にメイクした。ウィッグのレンタルもあって、ロングヘアを選んだ。一般的にメイク初心者はショートのウィッグ。ベテランになる程長いウィッグにするそうだ。
同じ室内だが、バーとメイクルームはカーテンで仕切られていた。
初心者ながら無謀にも?ロングヘアのいで立ちでメイクルームを出て、バー内のカウンターに座った。年配の男性客(女装客ではない)に「初めてにしてはいいんじゃない」と言われ嬉しくなった。
確かに、メイク初心者がロングヘアのウィッグをするとウィッグに負けるのだ。服で言えば「服を着るのではなく、服に着られる」と言う感じ。でも女装をやりこんでいくと服やウィッグに負けなくなる。不思議だ。人間は変化する。
店がやっていない日曜以外、毎日通った。仕事が18時ころ終わるのだが、一度家に帰ってからすぐ店に向かう。そして明け方家に戻り1、2時間寝て仕事に向かう生活。ほとんど寝ていない。でも楽しくてそういうサイクルの生活でもできてしまったのであった。今はそんなの無理だ。
当時25万円の手取りがあったが、確実に20万は使っていた。半年通い続けたので、20X6=120万も使っていたことになる。メイクできる様になってきてからはメイク代は取られなかったが、メイクルーム使用代、飲み代、服のレンタル代、ウィッグ代とやたらとお金を取られた。
極め付けは「女性ホルモン注射してくれる病院を紹介するから5000円払って」と言われた時はさすがにがめついなと思った。半年間いいカモであったと自負?していたが、楽しかったのも事実だ。店主は大阪の人でいつもの口癖は「人はな、口は出してもお金は出さないものや」だった。今まで会ったことのない、自分には全くない考え方をする人だった。そのためこの人がどんな人なんだろう、どういうふうに考えているんだろうと興味を持ったのだ。
驚いたこと
この店主に関してもっとも驚いたことが2つあって、
・シンガポールで性転換手術を受けて1年間患部が痛み続け何度か自殺未遂をしたこと。
・戸籍は女性になっているので、なぜか聞いてみたところ(当時性転換しても戸籍変更は認められない時代だった)他人の戸籍を買ったと言っていた。「戸籍って買えるの!? 」驚愕である。闇が死ぬほど深そうでこれ以上触れられなかった。
店主ではないがもう一つ驚いたのが、男性客がおさわり、いわゆるセクハラをしてくる。女装してお話して、歌を歌って楽しむ場所と思っていたところが、男性にとっては女装者におさわりしたり、連れ出してホテルに行く様な場所であったのだ。
カウンターで脚を触ってくる男性客がいたら「ダメでしょ!」と手のひらをばしっ!と叩いて回避する。数を重ねていくうちに男性をあしらうのが上手くなっていくのであった。
本来の目的
ここで、自分は単なる女装のコスプレか、女性になりたいのかを見極めるつもりだった。
そこに通い半年が過ぎた。その頃自分の中では結論が出ていた。
自分はコスプレじゃない。女性になりたいんだと。女性である方が心が落ち着くし、自然な感じだと。
この手の店は男性をメイクさせて料金を取っているので、普段から女性で家からメイクして来られたらメイク代を取れなくなる。化粧も上手くなり、家から女性の出立ちで来るようになった私に店主は冷たくなっていった。
ある時店主に「男に戻って普通の生活に戻りなさい」と怒られた。しかしもう後戻りはできない。
自分が女装のコスプレではないことはもう確信していたからだった。
店にとっては普段男性で店の中だけ女性でいて欲しいのだ。
次第に居心地が悪くなり、足が遠のいた。
女性ホルモン療法
それから女性ホルモンを打ち始めた。例の店の店主にホルモン注射をしてくれる病院を教えてくれた病院のうち1件に通い始めた。1995年のことである。
ホルモン療法を続けるうち、次第に体型や顔つきも変わってきた。肌も綺麗になり毛量も増えた。同時にヒゲ、体毛の永久脱毛もした。容姿が大分変わってきたせいか、大学生時代の同級生と待ち合わせをしても自分に気づいてくれない。聞いてみると大分、容姿が変わってしまって分からなくなってしまったという。整形手術は全くしていないが、ホルモン治療の効果を実感した。
女性ホルモンではいいことばかりではなかった。投与して半年位はイライラしやすくなった。そのことを人に指摘されて分かったのだが、イライラしない様に頑張っていると、今度は鬱々してくる。1年ほど経つとあまり精神的な症状はでなくなっていった。このおかげか生理でメンタルが変化する女性の気持ちがよく分かった。体験しないとこれはわからない。
| メリット | デメリット |
| 髪が増える・肌が綺麗になる・胸が出てくる・皮下脂肪が増え丸みを帯びる・男性器が萎縮・性欲減退 | 感情の起伏が激しくなる・肌が弱くなる・怪我が治りにくくなる・疲れやすくなる・容姿が女性的に |


つづく

















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