日本のライブハウス、音楽スタジオなら必ずと言っていいぐらい設置してあるローランドJC-120。通称”ジャズコ”。私も個人的に長年所有してきたが、最近音出しをしてみたところ全く音がでない。今現在はJCの音に執着はしていなくて、スタジオなどではマーシャルを使っている。どう処分しようか。
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あのクリーンサウンドがたまらなかった
多分20歳の頃だと思うが中古で55000円位で購入した。その購入した楽器店から気合で?!電車で家まで運んだ記憶がある。ガラガラ音を立てながら(下にタイヤがついている)結構重いです。何ならスタジオで持ち上げてみて。
当時の私はフュージョンバンドを組んでいてJCのクリーンサウンドをベースに音作りをしていた。ソロのときは高1の時にバイトして買ったBOSSのSD-1(スーパーオーバードライブ)を踏み込みブーストマイルドな歪みを加えていたのだ。
スタジオ、LIVE、自宅とどこでもJC-120が使え音作りが安定し楽になったのだ。
そして月日がながれ久しぶりにジャズコーにギターを繋いでみた…….
壊れている…..
お亡くなりになっていたのね。いつのまにか…
カバーを掛けておいておいたとは言え長い年月が経った。購入当時でも中古だったので一体何年経っているのかはわからない。(型番でおおよその年月が調べられるかもしてないが)中古の中古だったりして?!
修理?売る?捨てる? どうする?
修理には大きく分けて2つ。
- 修理業者に依頼
- 自分で修理する
修理業者に依頼するメリットもあるがお金がかかるのと一体いくらかかるか検討付かない。調子が悪い時があって10年以上前にローランドに電話して聞いてみたところ古いので基盤全部取り替え必要で5万くらいと言われたことがある。買値に近く高い~と思ったのでそのまま放置に…
最近自分で修理できるかなと思って中身を開けてみた。
電子部品だらけじゃ~
ジャックの交換程度のはんだ付けくらいならできるけどこれは…(汗)
結論…修理諦め。こんなもの修理できたら自作エフェクターを販売して…いやいやそんなことをしていたら音楽家ではなく電子工作家活動に時間を取られること間違いなし。やめとこ。お勉強もΩ(オーム)の法則までにしておこう。E(V)=I(A)×R(Ω)
残る選択肢は…
- 捨てる
断捨離じゃ。コロナ禍で不用品を捨てる人が多くなったみたい。
- 売る
壊れているけど部品が欲しい人いるみたい。JCの中古スピーカーネットで売っているのをみたな。メルカリ、ブックオフなどでも売れるかもしれない。でもまた使いたいなあ~という思いが湧いてきた。
でもな、音はマーシャル的な音の方が今はいいな~どうしようかなあ。
スピーカーキャビネットに生まれ変われ! 第二の人生始動!?
よし アンプ部は見捨ててスピーカーキャビネットとして生まれ変わってもらおう!
この方法なら高額な修理代もかからない。キャビネットとして使ってあげればジャズ娘さんも喜ぶだろう!
そうと決まったならば接続するアンプも探さないとね。
手頃なペダル型アンプがあった
最近はペダル型アンプのラインナップが豊富になってきた。ペダル型アンプがあればどこのスタジオでもライブ会場でも同じ音を奏でられるに違いない。
スタジオでレンタルのマーシャルを使っている人はわかると思うけど、個体毎に音が違いすぎる。ライブ会場でアンプをレンタルするときはいきなりだからどんな音になるか予想できない。ペダル型アンプならある程度一定の音が出せそうである。
実際に2台ペダル型アンプを購入してみた。中でも良かったのがFOXGEARのPLEX 55だ。日本ではまだそんなに有名になっていない感じがする。だがYouTubeでUPされている動画の音が良く、気に入ってしまった。イタリアでデザイン、中国で生産されているようだ。他では見かけないデザインだ。小型ながら出力は55Wもある。
サウンドが気になる人はYouTubeなどで「FOXGEAR PLEX55」と検索してみよう。
↑スタジオにて。自作ミニボードに組み込んだPLEX55のサウンドチェックをチェックする私。
改造開始!
本題に戻ろう。改造と言ってもアンプ部を通さずジャックからスピーカーに接続するだけだ。
必要なことは…
- スピーカーケーブルからくるジャックの設置
- 2基あるスピーカーは直列つなぎか並列か
- スピーカーの極性に注意しなければならない
ジャックの設置は本体の裏に穴あけなどをしてつけようと思っていたが、穴あけ用のドリルを持っていない。なので今あるジャックを交換して入力とすることにした。
あっ
その前に…スピーカー壊れてたらできないじゃん。
実際に繋ぐ前に↓スピーカーケーブルをワニ口クリップで繋いで実際音が出るかテストします。もちろんアンプの電源などはもはや関係ないので入れてはいけません。(危険)
音がでた~♫ 何年ぶりだろ~♪(クリップがずれるのでセロテープで補強しながら涙)
ジャック交換
まずは分解。ネジの位置、本数はその個体(生産時期)によって異なります。このネジなに。なが~~~い。というのも出てきます。電動ドライバーは持っていないもんだから結構大変。
①背面を天井に向け寝かせる(画面では寝かせていないが、寝かせてから開始しましょう)
②左右のネジを外す
③上のネジを外す
④裏のネジを外す
中身を開けたら↓取り付けたい箇所の古いジャックを外し、モノラルジャックを付け配線2線をはんだ付けします。(配線は色違いにしてわかりやすくね)モノラルジャックはアマゾン、電子パーツ屋さん(ネットでも買える)などで購入できます。
↑内部 ↑交換箇所の内部からの拡大(右側)↓長年の汚れ、サビがびっちり。
ジャックの形状は年代によって異なりますそれぞれの状態に合わせて交換しましょう。
↓モノラルジャックならどんな形でもOK。私はギターのジャックを交換した時に余ったものを使用。
↑極性を間違えないために。プラグの先端が+それを辿っていくと自ずとジャックの方の+もわかる
今回は古いジャックは外すだけで放置しました。
新たなジャックのハンダ付けが終わったら配線を通す穴を探します。他の配線で使用している穴がありました。そこからスピーカーのある空間まで2本の線を配線します。それぞれの配線は色分けしましょう。極性をわかりやすくするためです。
↓ギターの配線に詳しくなりたくて購入しました!かなり参考になりました。
また、軽量化(僅かかもしれないが)するなら基盤や大きくて重い電源トランスなども外してもいいかもしれません。木の部分が一番重いがこればかりは仕方がない。この木枠あってのサウンド特性もありますからね。
元々ついていた黒のナットは新しいジャックには取り付け不可だった。径が違ったためだ。(Switch craft製と思われる?国産のジャックの方が径は合うのかも)ただ違和感は全く無いのでこれでよしとした。
↓実際使用した半田ごて。温度調整がついてて便利
2基のスピーカー並列か直列か
2基のスピーカーのインピーダンス(抵抗値)は各8Ω。(テスターで測定したら7.4Ω。誤差の範囲内)
音声の電気信号が入力してきた場合は…
並列の式
1/R(Ω)=1/R1+1/R2
これに8Ωを入力すると
1/R=1/8+1/8
R=4Ωになる
直列の式
R(Ω)=R1+R2
8+8で
R=16Ωになる
抵抗値が低いほど大きな音が出るので並列接続にしました。式の意味が不明で目眩がしそうな人は並列接続を選びましょう。
※ただし接続するアンプが4Ω、8Ω、16Ω対応か確認が必要です。
スピーカーの極性
乾電池と線を用意しつなげて(ガムテープで補強)テストします。「ブッ」って感じで音がします。でもオナラのように臭くないので大丈夫です。前か後ろか一瞬動きます。
前からでるか後ろからでるか。吉とでるか凶と出るか。おみくじとして今日の運勢を占ってもいいかもです。
冗談はともかくスピーカーそのものを外さない限り正面からスピーカーコーンにはさわれません。背後の隙間からそっとソフトに(笑)触ります。破れないようにね。振動で前か後ろかを判断します。万が一極性を間違えてしまったとしても音がでないということはないです。(極性逆のサウンドがたんまんないなぁ~と言いながら使用しましょう)
スピーカーケーブルの+とスピーカーの+が合うように配線
スピーカーは元々配線が端子で差し込まれていた(↑画面左)んですが、今回は半田でバッチリとつけました(↑画面右)。(単に接続端子がなかったため)サビやよごれがひどい場合はきれいにしてからハンダ付けします。これ結構大切です。
スピーカーケーブルがなかったので購入しようと思ったら予想外に高価なので自作しました。SPケーブルも銅線。だから同じ銅でできた普通の電線(格安!うちの掃除機のコンセントに繋がっている線とほぼ同じ)でつくりました。音を出しましたが音質に問題無しノイズもなく大丈夫でした。3mで制作費1000円以内で製作できました。高価なケーブルと音質を比較してみたいですね。
今回必要だったもの
- プラスドライバー
- モノラルジャック
- 電線(これでないとだめというのはないが、少し太めのものしてみた。しかし太すぎると扱いにくい)
- 半田関係(半田ゴテ、半田、半田ゴテを置く台など)
- 錆取り(接点の清掃のため。さびとりつやの助が良かった。ギターのフレットもこれできれいにした)
- 乾電池、ワニ口クリップ
そして完成!
あっ!見かけ全く変わらんかった…
試奏はまた今度の記事で..ここで力尽きる…
いよいよ音出し♪~どうなることやら。お楽しみに…うふふ..
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