2017年よりJASRACが音楽教室で楽曲を使用する場合、使用料を徴収する方針を示した。音楽教室を運営する会社や団体などは音楽教室での支払い義務は無いなどとして反発を強め法廷での争いになっていた。今回最高裁で判決が下され「音楽講師からは徴収。生徒からは徴収しない。」との最終決定が下された。
このニュースのように音楽著作権についての報道が忘れたころにまたやってきます。
でも「音楽をやっているけど著作権のことは正直よくわからない。」といった方がほとんどだと思います。そういう私もそうです。今回の記事を書くにあたって色々調べていきましたが、内容が本当に複雑で理解するのに骨が折れました。まだまだ分からない点が沢山いや膨大にあるのですが、分かった内容を少しずつ分かりやすく解説していきますね。
音楽クリエーターやカバー曲を演奏しているミュージシャンにとって音楽著作権にある程度の知識は必要ではあると思います。「自分のオリジナル曲を管理」という視点と「ほかの人が作った曲をカバーしたい」といった両方の視点で書こうと思っています。
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著作権は届出不要
あなたが作曲した曲ができた瞬間にその「著作物」に対してあなたの「著作権」が発生します。届出なんかは不要ということになります。
著作権があると、勝手に自分の曲を使用した相手に
「それは私の作った曲だから使わないでくれ」
「使うのなら使用料を払って」
と権利を主張することができます。また、従わない相手に対して「自分が作った曲」である証拠を示して法廷で争うことも可能です。
個人ではやり取りが面倒
あなたの楽曲を使いたい人が連絡してきて「曲を使用してよいか」「金額はいくらになるのか」ということを連絡してきます。放送で流すことを許可したがこちらの示す金額に先方が納得いかなかった場合はさらにやり取り(駆け引き?)が続きます。このやり取りに時間や労力を取られます。それでもかまわないという人なら問題ないですが、私だったらそんな時間を取られるくらいなら楽曲制作や練習したりブログ書いたりしたいです。
音楽の他にキャットファイトの仕事(選手)もしていますが、Twitterや個人で直接イベントなどの出演依頼が来ることがあります。そういったときは団体(事務所)の方を通して再度連絡していただくようにしています。ギャラ交渉や条件などのトラブルから身を守るという意味もあります。トラブルというのはギャラが正当に支払われない、不当に安いギャラであることなどです。
依頼する方が大変なこともある
とあるラジオ番組のディレクターがあなたの曲を気に入ってラジオで流したい。でもどこに連絡していいかわからない。ネットで調べても出てこない。という状況では困ります。ただその楽曲を著作権管理団体が管理しているものであると非常にスムーズです。
日本で代表的な著作権管理団体というとJASRAC(ジャスラック)とNexTone(ネクストーン)があります。それぞれのサイトで楽曲検索があるので曲名やアーティスト名で検索可能です。
↓JASRAC・NexToneの楽曲検索のページが開きます。 注意事項、規約に同意すると検索が可能となります。知っている曲、アーティストを検索してみましょう。あるいは自分とかね。
例えばJASRACに該当楽曲があったとすると、その楽曲をJASRACが管理しているということなります。使用方法などを入力するとに料金がわかるようになっているページがあります。
これは楽曲を使いたい人には便利です。個人で著作権管理をしている人より選定しやすいでしょう。
同じ曲なのに・・・
それぞれ2サイトで楽曲検索すると何を著作権の中で具体的に管理しているかがわかります。すべてをJASRAC(またはNexTone)で管理している場合もありますがそうでない場合もあります。
同じ曲なのにLIVE(演奏会等)で使用(カバー)するにはJASRAC、インターネット配信はNexToneというように分割管理されている場合があります。
例えばAdoさんの「うっせぇわ」で両サイトを検索すると・・・
Liveでのカバー(演奏会等)ではJASRAC
インターネット配信ではNexTone
と分割管理されています。
実際に個人がかかわってくるのは「LIVE」(演奏会等)、インターネット配信、BGMで使用するときが多いと思われます。その辺を確認すればよいと思います。
歌ってみた動画は大丈夫か
JASRACのサイトの中に「利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧」という一覧があります。
沢山サービスが載っていました。主なものをあげてみました。
YouTube
TikTok
Instagram
Facebook
LINE
ニコニコ動画
ツイキャス
Dailymotion
上記などのサービスであれば歌ってみた動画をアップしても、著作権料はそのSNS・サービス・アプリ運営側が払ってくれます。有名なライブ配信サービスも一覧にありました。
Pococha
SHOWROOM
17LIVE
REALITY
EVERY.LIVE
ミクチャ
EVERY.LIVE
ふわっち
kukuluLIVE
Stickam JAPAN!
mysta
IRIAM
他にも知らないアプリやサービスが複数ありました。知らないのは全部調べてみましたが、ここでそれを載せると本来の目的と外れるので省きました。興味のある方は以下リンクを参考にしてくださいね。
JASRAC 利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧
NexToneの方には一覧が見当たりません。(見つからないだけか?)
ですが、先ほどのJASRACとNexToneの楽曲検索でどちらかにあればよいということになります。
オケにする音源については
DAMやJOYSOUNDなどのカラオケで歌った音源を自分でUPするのはだめだそうです。スマホで気軽に撮影できますけどね~。
問題ないのは
- 自分で弾き語りをするか誰かに伴奏してもらう
- 別途カラオケ音源を作る
- オケを作成し無料公開している人のものを使う(YouTubeなどで公開)
- カラオケを購入する
ということになります。
私の場合は自分で作ってきました。山下達郎さんの「クリスマス・イブ」やクイーンの「Radio GAGA」「Show must go on」、セリーヌ・ディオンさんの「My heart will go on」を耳コピで作成しましたが結構大変だし時間がかかりますね。
こんなサービスもありました。
カラオケ店で撮影したうたスキ動画を、簡単にYouTube(自分のYouTubeアカウント)へ投稿することができるそうです。指定のカラオケ機種使い備え付けのカメラで撮影されたものになるそうです。また「90日間に100回以上再生されないと消去される」という条件がありますがニコニコ動画に投稿も可能だそうです。もちろんうたスキ動画もJASRACと連携しているので問題ありません。DAMにはない機能ですね。
色んな方法があるのでご自分に合った方法を取ればいいということになります。
つづく
↓レビューも比較的良く、今度読みたいと思っている本。Kindle版もあるみたい。
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